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2013年03月05日

あれから35年

まだ私がかわいい中学生だった頃のこと

実家の風呂は家の外にあった

学校から帰り、庭の掃除をして、杉の葉に火をつけては風呂を焚く

竹を燃やすと「パーン」という音でビックリしたものだ


当時は婆ちゃんが二人いた

父の母と、母の母である

「渡る世間は鬼ばかり」という人気番組を上回るドラマがそこにはありました^^

嫁という立場の母がどんな心境で日々を過ごしていたか

ただひたすらに子供である私と弟のために耐えていたであろう、そう思います


私にしてみれば、みんな大好きである

時には婆ちゃんが悪いと思ったり

逆に婆ちゃんの言うとおりと思ったりしたものだ


父の母はどちらかというと厳しい印象の人でしたが

それは愛情からくる厳しさであって

学校から帰るとお茶を飲みながらよく昔話をしてくれたものです


母の母は正反対で、優しい穏やかな印象の人なんですが

静かな中になんともいえない強さがあって

不思議な感じのする婆ちゃんでした


私が庭の五右衛門風呂に入っていると

その不思議な感じのする婆ちゃんが声をかけてきます

「ぬるくないか?」

大丈夫だよと答えても、「少しだけ焚こうか」と言ってくれます

ある日、この婆ちゃんが「好きな漢字は何か?」と聞きました

私はなんと答えたのか覚えていませんが

婆ちゃんは「信じる」の「信」という字が好きだと教えてくれました


人の言と書いて信じる

今の世の中、人の言うことを簡単に信じちゃダメよって感じですがね

以来、私は人を信じることのできる人間になろうと思うようになりました


どんなに科学が進歩しても自然の驚異の前では無力な人間

大地震、大津波で多くの犠牲者と行方不明者をだした2年前

残された人々を支えたのは「絆」

人はやっぱり支えあってこそ「人」なんですよね


そんなことを教えてくれた不思議な婆ちゃんが

享年100歳で亡くなりました

1ヶ月ほど前から容態が悪化

その間、子供たちに見守られて幸せな最後だったと思います


35年前、婆ちゃんの人生の5分の1だった13歳の私も

今ではおよそ2分の1まで生きてきました

人並みの試練も味わったつもりですが^^

第二次世界大戦、満州国、敗戦帰国、極貧生活での子育て・・・

2年前の大震災では石巻市で奇跡的に助かるなど

婆ちゃんたちの苦労に比べればまだまだ赤ちゃん程度なんだと思います


感謝することは大事なことですが

感謝し続けることの難しさと大切さを教えてくれた婆ちゃん

本当に有難う


毎日のように眺める「霧島」の山々を見るたびに

婆ちゃんを思い出します

あれから35年

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Posted by てふてふ旦那 at 11:05│Comments(0)出来事
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